社員ゼロで10メディア運営!在宅ワーカーに活躍してもらうには?

近年、急速に広まりつつあるリモートワーク(テレワーク)。

今やリモートワークは「社員」がオフィス以外の場所での業務を行う」という物理的な意味にとどまらず、業務委託による副業や在宅ワーク、といった個人の「働き方」、企業の社外人材の活用方法という観点からも注目されています。

今回は、業務委託の在宅ワーカーを活用したメディア制作事業を手掛けていらっしゃるベンチャー起業家、株式会社ネクストライフ 古川渉一様に、在宅ワーカー活用にあたって、事前に検討整備すべきポイント、人材の見極め、契約や業務遂行上の注意点など幅広くインタビューしました。

事業拡大を図る起業家様や、副業・在宅ワーカーの活用をご検討中の企業様は必見です。

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■古川氏プロフィール

古川渉一様_写真

株式会社ネクストライフ 

代表取締役社長 古川 渉一(ふるかわ しょういち)

【プロフィール】
1992年鹿児島生まれ。大学在学中に学生向けイベント紹介サイト「facevent」や学生向けメディアを立ち上げ、どちらも事業譲渡。
新卒フリーランスとして働き、Webディレクター / エンジニア / マーケターとしてWeb制作累計100件以上の案件を担当。
現在は2019年10月に株式会社ネクストライフを設立し月50人以上の在宅ワーカーをとりまとめ、副業初心者向けメディア「副業ビギナー」をはじめとしたWebメディアを10以上運営。開発とビジネスの両面から新規事業の立ち上げ支援も行なっている。現在、事業メンバー、副業・在宅ワーカーの積極採用中。

 

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1.ひとりで50名のワーカーを動かす!?

山中:はじめに、ネクストライフ様の事業の概要をお聞かせください。

古川:一言でいうと、オウンドメディアの企画、運営です。自社では、「副業ビギナー」「投資ビギナー」というメディアを運用しています。また、現在、10メディアの運用やSEO対策などを代行しています。

山中:副業ワーカーや在宅ワーカーを活用されているとのことですが、副業や在宅ワーカーに着目された理由をお聞かせください。

古川:最初は、効率的に事業を拡大していきたいという理由からでした。

当社は私ひとりで起業し、現在も社員「ゼロ」で経営しています。案件の内容に応じて必要な人材を集めることで、コストを抑えながら、新規事業の立ち上げやCPAの削減を一貫して引き受けられるのではないかと考えていました。

その後、副業や在宅ワーカーに活躍してもらえる業務フローが確立し、ビジネスモデル的な観点で利益を作れるフローが作れた結果、リモートワークや在宅ワークなどの新しい働き方を支援することの社会的意義も意識するようになりました。

山中:現在は、何人くらいの副業ワーカーや在宅ワーカーが稼働中でしょうか。

古川:約50名で、ほとんどが主婦(主夫)の方です。プロマネやディレクター、総務も副業ワーカーや在宅ワーカーにお願いしています。そのうち8割の方は顔も年齢も性別が分からず、残り2割の方は本名も住所もわかりません。

山中:え、ひとりで50名も動かしているんですね!しかも、本名も本業も知らないにどうやって!?

 

2.カギは徹底した分業化とマニュアル整備

山中:副業ワーカーや在宅ワーカーの方々にはどのようにそれぞれの案件に入っていただいているのでしょうか。

古川:1社に対して10~15人態勢で、工程ごとに分業しています。オウンドメディアのライティング作業の場合、営業と、最初のペルソナ設定は自分(会社)ですが、記事の作成から投稿まではすべて委託しています。

メディア記事の作成の場合、キーワード選定、ライター、編集者、入稿・公開、被リンク構築系がそれぞれ1名、Twitter, Facebook, Instagramそれぞれへの投稿に1名ずつの10名ワーカーさんにマニュアルを見てもらいながら分業して進めてもらうケースが多いですね。

山中:かなり細かく分業されているんですね。分業にはどのようなメリットがありますか。

古川:ワーカーさんにはそれぞれ、育児や家事、本業などがあり、副業にかけられる時間は限られています。

作業範囲を明確にして集中的に取り組んでもらえれば、効率的にスキルアップできますし、作業が遅延するリスクも下げることができます。もし、ワーカーさんのステータスの把握がしやすく、遅れが生じてしまった場合も早めに手を打つことができる点もメリットです。

山中:副業ワーカーや在宅ワーカーの方々にはどのようにそれぞれの案件に入っていただいているのでしょうか。

古川:1社に対して10~15人態勢で、工程ごとに分業しています。

オウンドメディアのライティング作業の場合、営業と、最初のペルソナ設定は自分(会社)ですが、記事の作成から投稿まではすべて委託しています。メディア記事の作成の場合、キーワード選定、ライター、編集者、入稿・公開、被リンク構築系がそれぞれ1名、
Twitter, Facebook, Instagramそれぞれへの投稿に1名ずつの10名ワーカーさんにマニュアルを見てもらいながら分業して進めてもらうケースが多いですね。

山中:分業フローの確立までにどのような苦労があったのでしょうか。

古川:分業フローを確立するには、かなりの試行錯誤があり、現在のフローに落ち着くまで半年間で5回も見直しました。

例えば、メディアのSEOライティングの場合、企画という業務を置いていましたが、ライターとの間で意識のずれや手戻りが発生しやすかったので、今は企画立案もライターにまとめてお願いしています。また、集約すると作業効率が上がる作業もあって、WordPressの入稿作業をひたすら行っている方もいらっしゃいますね。

山中:最適化された業務フローを確立するために、短期間でトライアンドエラーを繰り返されたんですね。マニュアルについては、どのような考え方で整備、メンテナンスされていますか。

古川:初心者でも一通り読めば作業ができるようなマニュアルやドキュメントを整備してGoogle Driveで共有しています。コンテンツの作成方法のだけではなく、契約書やステータス管理、事務処理方法なども、すべてマニュアル化しました。

マニュアルは、ワーカーさんからのと質問や要望を踏まえつつ、同じ質問に毎回答える必要がないように常に更新しています。限られた時間の中で同じことをやらない(Don’t Repeat Yourself)、「車輪の再発明」を避けて効率的に経営をすることを、特に強く意識していますね。

3.「仮採用」でワーカーとの信頼関係を構築

山中:ネクストライフ様の案件には、どのような方がどういったルートで応募されていますか。

古川:当社にフリーランスの応募は少なく、ほとんどが主婦で、一部が副業の方です。以前は、クラウドワークスなどに募集を出すことも多かったのですが、現在では、新たに応募される方のほとんどが、自社メディアの「副業ビギナー」からお問い合わせいただいています。

山中:採用にあたって、どんなことを意識されていますか。

古川:相手からを信頼してもらうには、まず自分が相手を信頼することが欠かせないということを意識していて、ワーカーさんは音信不通にならないし、仕事もめちゃめちゃできるのではないかとの考えに立っています。

そこで、まず、「仮採用」という形で作業をお願いし、一通り終わった時点で継続していただけるかどうかお互い確認することにしています。しかし、現実には、エントリーシートを見ると募集要項を読んでいない、文章がおかしいなど、半分程度はコピペと思われるものが散見されます。そういった方は機械的に判別できるので、やむを得ずテンプレート的な「お祈りメール」を返すことにしています。本当はそのようなテンプレートは送りたくないというのが本音なのですが笑

山中:「仮採用」後にはどのようなやり取りがあるのでしょうか。

古川:まず、契約をするフェーズでは、契約や業務をお願いするにあたって必要な事項を明文化し、クラウドサインを使ってワーカーさんと使って取り交わします。今のところ、損害賠償を請求するような事態に遭遇したことはありませんが、ワーカーさんにこちらのことを信用してもらいたいからこそ、厳格にするべきところは厳格にしています。

次に、実際に作業をしていただくフェーズでは当社が用意したマニュアルをしっかり読んでいただいているか、不明点についてどのような質問をされるかを確認しています。前述のとおり、マニュアルを読めば初心者でも作業ができるようにしていますが、積極的に質問していただければこちらもより安心してお任せできますので、不明点があればいつでも連絡してほしいものです。反対に、マニュアルを読めばわかるような質問が続く、あるいは全くマニュアルを読んでいないようだと正直なところ不安になりますね。

最後に、お願いした作業が終わった時点で、ワーカーさんと直接お話しする(もちろんリモート)の機会を設けてフィードバックを行っています。フォードバックでは、ワーカーさんとの改善点だけではなく良かった点もしっかり伝えることにしています。こうすることでワーカーさんからの信頼も得られ、次の仕事に向けた相談もしやすくなります。

4.リスクやトラブルに備えるには

山中:副業ワーカーや在宅ワーカーに依頼リスクと、トラブル防止のためにどのようなことをされているか教えてください。

古川:副業ワーカーや在宅勤務を積極活用するにあたって事前に考えたリスクとして、音信不通、納期の遅れ、品質、情報セキュリティ事故、ワーカー同士のトラブルなどを想定しました。

まず、最も起きがちな音信不通についてですが、前提として、納期の厳しい業務はクライアントから受注しない、ワーカーさんに依頼しないこととしています。そのうえで、納期は、それぞれのワーカーさんにも自身でざっくりと決めてもらいます。毎月契約更新に関して面談していますが、その場で帰省やお子さんの学校行事休暇などをプライベートな動きもなるべく早めに申告していただくようにお願いして、過度な負担をかけすぎないよう配慮します。

もし、途中で音信不通になったら、私のやり方が「重い」と感じられてしまった、あるいは、タイミングや条件が合わなかったのだろうと考えることにしています。

山中:直接顔を合わせることがないワーカーさんも、これだけ聞いてもらえれば、信頼してくれて、こまめに連絡をくれそうですね。

古川:もう一点重要なこととして、稼働可能なワーカーのリソースをあらかじめ確認してから、翌月の案件数や作成記事数を決めています。ワーカーさんの作業ボリュームも、音信不通に限らず、お子さんの体調不良など突発的な理由で作業を続けることができなくなった場合に備えて、ある程度の余裕をみて決めています。万が一遅れが生じた場合でも、作業が速く進んでいる方に追加をお願いすることでリカバリーしています。

山中:事業内容とワーカーさんへ作業の依頼の仕方がビジネスモデルの観点からも重要そうですね。分業化とマニュアルの整備が徹底できていればリスクもコントロールできそうですね!

古川:記事の品質や情報管理にかかわる部分については、契約に加えて、マニュアル上でも注意喚起を行っています。不審な文字数カウントツールや翻訳ソフトを使わないようにといったものです。「コピペ」防止のため、類似記事がないかチェックする仕組みも導入しました。その他には、ワーカー同士の引き抜き、一斉離脱、内部トラブルなども想定しましたが、実際には起きていません。

よく、副業や在宅のワーカーに業務を依頼するのはビジネスリスクやセキュリティリスクが大きいのではと言われますが、ここまでお話ししたリスクやトラブルは社内や社員であっても発生します。事前にリスクを把握し、対策をあらかじめ講じていれば、トラブルが生じたとしても影響を最小範囲に留められます。

5.専門スキルは活かせる?未経験者でも大丈夫?

山中:業務経験や専門スキルは副業や在宅ワークでどう活かせるのでしょうか。

古川:副業や在宅ワークでも専門スキルや、バックグラウンドが活かせるチャンスはたくさんあります。当社に応募される方には、看護師、ファイナンシャルプランナー、保育士、コーチング、薬膳、カウンセリングなど様々な専門スキルをお持ちの方がいます。たとえば、金融系の業務知識をお持ちであれば、マネー系の連載企画に活かすことができます。ときには、ワーカーさんが私が知らないことを教えてくれることもあります。最近はInstagramに家計簿の写真をアップするのが流行っているんですが、主婦のワーカーの方から教えてもらって初めて知りました笑

山中:スキルに自信がない、未経験の場合はどうでしょうか。

古川:当社では、初心者の方でもまずは単純な作業からチャレンジしてもらえます。入稿作業はレジ打ちと同じようなものです。インプットの品質に問題がなければ、手順さえ教われば誰でもできることです。ライティングに関してだと、基本的なコミュニケーションが取れれば、文章は誰でも書けます。コンテンツをSEO向けに扱うにはテクニックが必要ですが、当社のノウハウの詰まったマニュアルを読んで、学んでもらえれば大丈夫です。

より稼ぎたい、スキルを広げたい人には、資格取得費用をお支払いしたこともあります。最近では、オンラインでセミナーを始めまして、今後開催回数を増やしていく予定です。

山中:手厚いサポートがあって安心して作業ができそうですね。ズバリ、どれくらいから稼げるのでしょうか。

古川:多くは月2~3万円で作業をお願いするという契約ですが、資格をお持ちのライターの方で作業スピードが早い方だと月20万くらいお支払いしている方もいらっしゃいます。今後は徐々にワーカーのみなさんに仕事をもっとお任せしていくつもりです。

6.新しい生き方を生み出していくために

山中:副業や在宅ワークを始める動機にはどのようなものがあるのでしょうか。

古川:在宅ワーカーの方々からは、生活費を稼ぎたいというニーズのほかに、社会との関わりをもちたい、承認欲求を満たしたいという思いも強く感じます。主婦の場合、日中は家にいる時間が長いため、話す相手は夫だけで、他者からほめられる機会が少ないようです。定着していただいたワーカーの方々には、各案件の成果についてもお伝えしています。例えば、執筆した記事が3か月で10000人に読まれましたと伝えると、とても喜んでもらえますね。

また、家族の海外赴任や子育てのために、専門的スキルを活かすチャンスに恵まれないこともあります。だからこそ、時間や場所に縛られない働き方が必要です。私は、一人ひとりすごいものをもっていると思っていて、それぞれが理想とする働き方を実現できるようにしていきたいです。

山中:社員「ゼロ」で副業や在宅ワーカーを活用して事業を運営していることについて、クライアントからはどのような反響がありますか。

古川:働き方がどうであれ、クライアントのニーズに対して結果を出すことが重要だと考えていますし、副業や在宅ワーカーなどの業務委託を活用していることが弱みになることもありません。強みというほどではありませんが、営業先では、おもしろがってもらい、興味を持ってもらえます。

山中:ネクストライフ様では、「21世紀の新しい生き方を生み出す」というビジョンを掲げられていますが、その思いはどこから生まれてきたのでしょうか。

古川:以前、面談の際に、「この作業で得たお金が子どもの予防接種代に使えてとても助かっています。」とお話しされる方がいました。お渡ししていた金額は決して大きくはなかったのですが、その方には貴重な現金収入だったんです。それがきっかけで、「副業ビギナー」を立ち上げました。

山中:最後に今後の事業の方向性についてお聞かせください。

古川:副業解禁の動きは広まっていますが、登録しても仕事が回ってこない、単価があまりに安い、だまされたという事例が後を絶ちません。当社では、スキルつけながら安心して稼げるように、副業や在宅ワーカーの支援を続けていきます。

また、より多くのクライアントを獲得して、事業規模を一気に拡大し、ワーカー1000人を目指します!ライティングやSEOだけではなく、WEBのプロデュースやコンサルティングなどにも進出したいので、そのために今以上に徹底した仕組み化を進めて、仕事をもっと獲得していきたいです。

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◆代表プロフィール

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

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マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。

中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。




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