顧客検証で新規事業の失敗は防げる。マーケティング戦略3つのポイント

 


私は、起業家として、事業のリサーチ支援企業として、
数10~100臆円規模の失敗をいくつも見てきました。

同僚やクライアントの本気の涙。
食い止められなかった失敗。

自分の力不足に非常に悔しい思いをしました。

株式会社まーけっちCEO 山中思温

自分は、当時はマーケティングもPMのスキルも何もなかったにもかかわらず、
顧客検証と戦略のおかげで、最年少で部長になり、広告費ゼロで、
当時度の広告代理店にも無理だといわれていた大きなKPI達成を成し遂げることが出来ました。

価値を作るために挑戦する人の成功確率を上げたい。という思いが強く、
めちゃくちゃ働いてやっと貯めた全財産を投じて、今のマーケティング戦略と実行支援の会社を作りました。
私達は、常に本気で事業の成功確度をいかにして上げるかという課題に取りくんできました。

今回は、事業の成功、勝つために最も必要なことはなんだ?
という、「事業推進の肝」を、大失敗を防ぐという視点から分析しました。
そして、大失敗を防ぐための方法は実はあって、それを伝えたく執筆しました。

新規事業の厳しい現実とリサーチ業界の問題を知るものとしては、
当たり前の話ですが、意外と知られておらず、
少し話しただけでも非常に参考になったと喜ばれることが多い為、初めて体系立てて書きました。
(リサーチ業界の方からはお叱りを受けるかもしれません・・・)

 

目次

マーケティング戦略と失敗:失敗の真実

事業の成功確率を上げる肝とは?
事業を担う方はお忙しいでしょうから、早いところ、結論・答えを言ってしまいたい。笑
・・・ただ、まず逆に、どうして失敗するのかという、原因の話から説明させてください。
(何事も原因を明確化しないと解決策を誤ります。本当に重要なので!すいません。笑)


●新規事業の成功の罠「失敗してもOK」の嘘

「新規事業に失敗はつきもの!恐れずどんどん失敗しよう」そんな話を聞くことも多いでしょう。
しかしそれは本当でしょうか。

まず、誤解の無いようにお伝えしたい話として、
私達は、投資・撤退基準を決めた、コントロール範囲内の失敗は「検証」ポジティブに捉えています。
しかし、戦略の仮説が不明瞭で、成功も失敗も、要因が追えなければ成功確度は高まりません。

加えて、想定やコントロース範囲のコストを超えた失敗は、
大きい損失を生み、事業継続が危うくなります。取り返しがつかない。
金銭的、自己ブランディング的、特に心理的に、次のチャレンジにも悪影響となります。

確かに、何も行動しないよりは、遥かにいいですが、
外部で挑戦を進める人も責任は取ってくれません。
最終的に責任を取るのは自分です。
大切な資金と時間とどれくらい投資するのか、検証したいことは何か、
出来る限り明確化して、成功確率をどんどん上げていきましょう!


●新規事業の成功確率はたったの26%!?

自分としても、周りの失敗を防げないことが本当に悔しかったです。
私自信も身銭を全て投じて事業を行っていますから、無駄な投資はどうにか避けたいと強く思います。
しかし・・・新しい事業や施策にチャレンジするというのは甘くはないんですよね。
HARD THINGSだらけです。笑



事業の成功確率を上げるためには、
顧客ニーズにあったものを提供できるか、その上でどれだけ利益が取れるか。
シンプルなはずです。

しかし、よく言われることですが、
大手企業含め、10年後残るのは26%ぐらいといわれていて、倒産する会社が74%。
恐ろしいのですが、殆どが失敗してしまうというデータが、統計から出ている。
※10年継続率 2005年 経済産業省「中小企業白書」より

「失敗してもいいや」なんて甘い考えでいたら、
いつまで経っても成功しません。

 

新規事業 フェーズ×失敗事例分析:大失敗の「原因」と回避策

●30事例の失敗要因を分析

何故、こんなにも多く失敗してしまうのでしょうか? 
今回私達は30個の失敗ケースの結果と要因を分析しました。



「たった30事例」分析を行う事例数としては、少ないと思うでしょう。
確かに、統計的に必要な数としてはぎりぎりなのですが、世の中には失敗の詳細が公開され、要因まで追えているケースはかなり少なく、貴重で有意義なデータだと考えています。

失敗分析の詳細はこちらの記事から。
(是非、分析の数を増やしたり、質を高めたいので、ブラッシュアップのご協力お助けください!)


新規事業マーケテイング戦略:フェーズと失敗ポイント整理

30事例分析!適切に失敗を俯瞰するための失敗とリスクの視点 


●新規事業の事業フェーズと重要ポイント

結局のところ、望ましい成果をあげるために、どのような視点をもって事業戦略を立てていく必要があるのでしょうか?まずは、事業のフェーズとフォーカスポイントを整理してご紹介します。

 

新規事業失敗分析:「事業計画」フェーズで押さえておくべきこと

まずはフェーズ1の「事業計画」で押さえておくべき具体的なポイントを整理します。

事業や施策の仮説を立て、適切な顧客にリーチしニーズを洗い出し、検証します。そこから製品・サービスを設計し、アイディア(もしくは価値)のビジュアライズ化・言語化・プロトタイプ作成して検証します。これを繰り返し、確度の高い事業案を作成していくことが重要です。

また、これらに加え、ターゲットに予算内でどうリーチするのか?製品がいくらでどれくらい売れるのか?誰が実行するのか?といった現場のリソースを踏まえて進めなかった場合、大きな失敗を招いてしまいます。



●「事業計画」フェーズ失敗事例:「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)

アパレルのモールで国内トップのZOZO。この事例をピックアップして捕捉します。
他の30事例の失敗分析の詳細はこちらの記事から。

ZOZO(旧スタートトゥデイ)は、2019年、125億円の赤字を計上した。下方修正の理由は、3年目で2000億円の売り上げ目標を立てたZOZOスーツの失敗と、プライベートブランド(PB)事業においての失敗が挙げられる。

ZOZOスーツについては、サイズ調整をしやすくし、通販の障壁を下げるはずが、呼び込みたい層は大衆のローファッション層であった為、着用後40回転が必要というUIの悪さ、不具合に耐えてまで、ECで服を購入したいと思っていなかったのです。
デザインや配送の遅延も、注目を集めていた分ブランドに悪影響となり、開発は休止。海外展開も踏まえた通販層拡大の技術戦略は良かったものの、ターゲットのニーズを全く捉えてない段階での大型投資であり、45億を投資した「おもちゃ」として揶揄される結果になってしまいました。

失敗要因 参考: ユーザー課題と受容度 



ZOZOスーツで解決できる課題を重視しているのは、23%のみ。
そのユーザーニーズの顕在度が低いと、使ってもらえません。
逆に、ターゲットの課題感が強ければ、多少のUIや物流の問題があっても使ってもらえます。

「ZOZOSUIT」は、狙うユーザー層がどう言う人で、どの程度、オンラインでの服の購入やPBを求めており、その課題は何か?サービス利用にあたって労力やコストを払うほどの課題感なのか、など検証を踏みながらの開発を行えば、45億円使いきる前に軌道修正ができていたはずです。

※見難くて申し訳ございません。
マーケテイング戦略事例資料をご要望の方は是非DL申し込み下さい。元資料をご送付します。


新規事業の大失敗を招く根本は・・?

近年の失敗要因を30事例分析!
上位は 「戦略」「価値」でした。

事前に防ぎようがない「タイミング」「外部環境」のみが直接の原因となるケースは意外と少ないことが分かります。 

※外部に情報が出にくい”人材・組織“関連の要因はもっと高い可能性が有ります。

失敗分析

失敗要素で多かった「戦略」「価値」・・・
一見すると当たり前に考慮すべきことです。


しかし、実は、当社の100社以上の支援ケースでも、
基礎的で当たり前の要素 がおざなりで、大きな失敗を犯してしまうケースが非常に多いのです。

失敗学


新規事業成功に不可欠な3つのポイント

失敗の分析から分かったように、どんなに時間がなくても
最低限、「価値」「ニーズ」は抑える必要があると言えます。
明確化して戦略を作りましょう

 

 

ができれば、想定を超える大失敗は、ほぼ防げます! 

※外部要因影響によるもののみ注意が必要

もはや、最初の段階で必要な視点はこの3視点のみ構わないのです。
この視点が根拠立てて明確にできてさえいれば、
資金も集まり、人材やリスク対策など他の問題も解決が出来てくるはずです。


さて、このポイントを抑えた戦略不足は、具体的にどのように行い失敗を防げるのでしょうか。
それには顧客インサイトとその提供の実現可能性全体を踏まえるための、
事業の戦略・実行を踏まえ本気のリサーチ・顧客検証が必要です。
大失敗を回避するために、押さえておくべきポイントと併せて明示していきます。

 

注意!意外とできていない新規事業の正しいリサーチ・顧客検証

誤った調査が新企業の失敗を加速する

調査をしても、むしろ大失敗や損失を加速を加速するケースもあります。
スケジュールありき、それっぽい数字やロジックで企画が通る大企業に多いです。

一つケースを挙げさせてもらうと、皆さん誰もが知ってる大手メーカー、家電のメーカーさんが3億の赤字で、
新規事業を潰しちゃった話があります。



その会社は、AIのアプリの開発を検討していて、社内では、幾らで買いたいかいうアンケートを行ってはいたのです。

新製品案を「使いたい」という人が80%。 売れると見込み、3000万円の開発費用を獲得!色々な社内要望を盛り込んでいくと、
開発コストは1億円近くに膨らんでしまいました。
多額の広告費を投入しますが、課金ユーザー数が増えず、売上げにはつながりませんでした。
優秀なS氏が、素晴らしいサービスを届けたくて頑張ったのに、なぜこんなことに……という話で、私も見ていて本当に心苦しかったのですが、一体何が不足していたのでしょうか?

意外と、そういった、新規事業の失敗はそこら中にあります。辛すぎます。なんで起きてしまうのか?どうしたら防げるのか?をいつも考えています。

リサーチ不要論の誤解・「まずやってみる」の罠

「リサーチは役に立たない」という主張の背景

顧客検証・リサーチが不要なケースは確かにあります。
ただしめちゃくちゃレアです。
ジョブズやフォードのような天才や資金が潤沢な大手メーカーの方がリサーチ不要論唱えていますが、絶対に鵜吞みにしないでください。笑

新規事業でもリサーチ・顧客理解が不要なケース



リサーチが不要な場合もあります。
今携わっている事業や企画について

「リスクを取ってこそ大きい価値が作れる、スピード優先」
「絶対にやりたいことがある。スピード優先」
→腹がくくれている

「資金が潤沢!失敗ダメージが少ない」
→資金に余裕、大手

「顧客理解が十分に踏まれている確信がある」
「顧客の課題を熟知している」
→既に対象の業界にネットワークがある

という方にのみ、新規事業のリサーチ(顧客ニーズ検証)は不要です。

リソースに余裕がないから顧客検証をしない というのは大きな間違いです。
資金がない、本気のスタートアップこそ適切顧客検証が必須なのです!


かけられているリソースが限られていて、
少しでも不安・懸念がある方には少なからず役に立つのではと思う為、
是非さらっとでもこの後の説明をお目通しください。

「適切な顧客検証の方法を知っている。」
「できうる最大限、顧客検証を行っている・成功の根拠が明確!」
という方も、ここからの内容は飛ばしていただいて良いです。笑

潜在ニーズの調査は無理だから意味がないという誤解

既存の・競合サービスとの比較や
過去・行動の調査で、WEBアンケートで最低限の潜在ニーズ確認は可能なのですが、手法があまり知られていないのです。先の事例のように、寧ろ誤った手法で失敗してしまうことも多いのですが、これは防げるのです。



とういことで よく、リサーチなんてやっても仕方ないから、
とりあえずやってみよう!といいますが、これは間違いです。

適切な検証の視点なく、「まずやってみる」はダメです。
冒頭に挙げた事業の失敗の例のように、ニーズがあると勘違いし、更に失敗規模を拡大することがあります。

どのような人達を対象に調査を行うのか(条件設定)サンプル構成とサンプルサイズ(割り付け設定)にも注意しましょう。

 

よく起きる新規事業の調査の間違い例 危ういケース

既存の調査で良く行われるケースをもとに、起こりがちな過ちを見ていきましょう。


Q このサービスについて、活用してみたい度合いを教えてください。

 

調査目的:新規の人材サービスのニーズ
リサーチ対象:人事1000人 
提示物:価格 サービスコンセプト
価格:5万円
開発費:300万円
広告費:200万円

→【利益予測】2割の200人が購入で・・
 売り上げ:1000万円
 利益:500万円 

上記のケース、
「1000人も調査し、2割以上使う見込みがあるという結果に!500万の利益見込み」と捉えても良いでしょうか?


適切な新規事業リサーチSTEP1  潜在・顕在ユーザーの割合


いやいや、ちょっと待って。
まず、決裁権のある顕在ユーザーがどの程度いるのか
既存サービス・競合利用で確認してみました!



適切な新規事業リサーチSTEP2 価値と価格の競合比較

次に、顕在ユーザーが、購入する見込みを
競合とのニーズ比較 (提供価値/コンセプトと費用提示)から推定します。



ブランディングの調査でも同じで、何故か実施しないで済まされることも多いのですが、競合比較は必須なんです!
比較すると、自社の案は5万円では競合に勝てず、3万円の案では競合Aからのリプレイスが可能とみられます。

※ (今回は例として、当てを付ける為の定量調査として、競合の数も少なく記載していますが)既存サービスの課題、自社の優位点インタビューでより深い検証が必です)

適切な新規事業リサーチSTEP3 ユーザーの層ごとでのコストと売り上げ予測

それぞれのユーザー層の購入意向と価格、リーチコストを見ていきます。

潜在ユーザーに絞った購入意向

価格5万円
潜在ユーザー23%のうち33%が購入意向 →7.5%(75人)
売り上げ:375万円
営業費:45万円 (75人×6000円)
※潜在なのでPUSH型で営業をかける必要があると思われる

 

顕在ユーザーに絞った購入意向

価格3万円 ※5万円だとそもそも勝てない可能性が高いことが判明
顕在ユーザー36%のうち48%が購入意向 →17% (170人)
リプレイス率が2割で34人 ※仮定 要インタビュー調査 
売り上げ:102万円

【利益予測】

売り上げ 375+102 477万円
開発・広告・営業 545万円
利益 -68万円


かなりざっくりではありますが、ユーザー層ごとに
・ニーズ度合い
・購入見込み
・リーチコスト 

を算出すると全く違う結果に!なることがわかります。

※ざっくりSTEPでまずご説明しました。
細かい間違えがちな調査手法については後述します。

 

適切な新規施策リサーチ 対象ユーザーの選定を間違えやすい理由

では、どうして、全体ではなく、
ユーザーの利用状況に応じた調査が必要なのでしょうか?
まず、サービスごとに各ユーザー層のボリュームが異なります。
最も層が大きく、課題や改善効果が高い層を見つけましょう。


 

そして、これが最も重要な理由ですが、
ユーザーの利用状況毎に課題が異なり、打つべき施策も異なるのです。

このケースでは定着と離脱でユーザーの不満ポイントが異なります。

 

 

限られたリソースの中で最速で成果を出す為には解決すべき課題の優先度の明確化が必要。
ですが、どうしても定着ユーザーなど、リーチしやすいユーザ層のみの声を拾いがちなのです。
ユーザーの利用状況毎のリサーチによって定量的に課題が特定でき、UX改善施策の優先度も明確化できるのです。

 


日本の新規事業・施策のリサーチが間違いだらけな理由

因みに、リサーチ不要論や、失敗の元となるリサーチはどうして今日本でまかり通っているのでしょうか。
答えは・・・・



リサーチ軽視の文化

日本の場合はそもそもリサーチや顧客検証を比較的重視しない傾向にあることです。
欧米など、海外では意思決定において、明確に基準が決まっており、その為の適切な検証のデータが必要であることが多いそうです。

リサーチ会社は新規事業の調査に向いてない

ノウハウ 事業推進経験ある人材が少ない
変化との相性 定点観測など、変化に厳しく、「決まったルールの範囲できちんと」を求められる
仮説構築・提案力 提案を求められない為、仮説を構築する能力が育ちにくい
事業構造 事業の成功まで追うと利益が取りにくい為基本的には成果を追わない。その為手法が誤っていても修正されない

意外とできていない正しいリサーチターゲット選定の方法

ユーザー層全体 から、最も改善効果の高いユーザー層を見極め、
その層に絞って最優先課題を明確にすることが重要です。

ユーザー層ごとに見るべき、明らかにするべき観点も異なります。
主な観点は下記。

自社サービスの優先ターゲット層と課題の整理をしてみましょう。

 

次ページからはいよいよ、失敗リスクを最小限にする為に何を行えばいいのかを解説します。

 

 

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